メンター紹介

メンターインタビュー vol.2 石井宏樹さん

PTD運営

PLAY THE DESIGNERでメンターとして活躍するデザイナーたちに迫るインタビュー第2弾は、異なる領域からUIデザイナーへと転身した経歴を持つ石井宏樹さんに迫ります。

 

建築設計デザインから、UIデザインへ

 

――よろしくお願いします。まずは現在のお仕事や、これまでの経歴などについて教えてください。

 

現在はデザインコンサルティングファームのA.C.O.でUIデザイナーとして勤務しています。大学時代は建築学科に所属し、大学院では建築の歴史研究室に入り、建築デザインを手掛けてきた人々の研究などを行っていました。

 

卒業後、最初は建築設計事務所に入ったのですが、1年ほどで自分の興味の度合いに疑問が生じて(笑)。建築に関しては、自分が設計するというよりも、研究が好きなんだと気がつきました。UIデザイン・Webデザインは未経験でしたが、あらためて建築設計ではない領域で今までのデザインの知識や経験が活かせる仕事をしたいなと思い、現在の会社に転職しました。

 

――建築設計とUIデザイン・WEBデザインでは少し領域が違いますね。転職活動ではどのような点をアピールしたのでしょう?

 

もともと子供の頃からWEBなどは好きだったので、もう少しデジタル系の仕事が出来たらいいなと思っていました。転職活動時はWEBデザイン・UIデザインの実績はなかったので、建築設計図や提案資料などをポートフォリオとして提出しました。幸運なことに社長が芸大の建築学科出身という共通点もあって面接にこぎつけ、そこで興味を持ってもらえたようで、「次は作品を作って持ってきてよ」と。1週間ぐらいでHTMLとCSSをとにかく勉強して、WEBサイトを作って送ったら内定ということになりました(笑)。

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大学時代の石井さんの制作物

 

――WEBサイト制作について一気に吸収したんですね(笑)!その時のWEBサイトはどのようなものでしたか?

 

一通りHTMLとCSSで作って、自分で選んできた写真やイラストをはめこんで、というものでした。今考えると酷いものかもしれません(笑)。なので、WEBデザインとUIデザインは入社してから初めてきちんと学びました。ただし、大学ではプレゼン資料をグラフィックでしっかり作りこむことを求められていたりしたので、Adobe PhotoshopやIllustratorは当時から使っていました。

 

――採用のポイントは、そのあたりだったのでしょうか?

 

入社後に、「プレゼンがとても上手かった」と言われました。キーノートを使って10分程度の自己紹介をしたのですが、その時の資料も話も良かったと言われたんですよね。話の面白さ、わかりやすさ、そして資料のグラフィックのクオリティが評価してもらえたポイントでした。10分も人の話を聞くのは面接官といえどつまらなく感じるのではと思ったので、退屈しないように作ったところなどを見てもらえたのかなと思います。

 

――その資料のクオリティやプレゼンのスキルは、どうやって身に着けたのでしょう?

 

大学時代は資料を物凄くシビアに見られる環境だったので、それが沁みこんでいるのかもしれません。建築学科では毎週のようにプレゼンをするんですが、とても厳しい教授のフィードバックがあるんです。最初はやっぱり慣れなくて、提出前日に教授に見せたら9割削除されるような有様で(笑)。でもそのおかげで力がついたと感じています。その後の建築設計会社でも、案件の予算規模も大きく、PM・ディレクション系のスキルも求められるので、そうした実践的な環境でさらにテクニックが身についたと感じています

 

――現在のUIデザイナーになるまでには、どのような道のりがありましたか?

 

A.C.O.に入社した3年前はそこまで「UIデザイン」というものが世の中に広まっておらず、会社の案件でもほとんどがコーポレートサイト制作だったので、まずはWEBデザインから学びました。WEBデザインは未経験だったので、先輩に聞いて、学んで、自分でWEB上の記事を調べて…という形で、とにかく学んで吸収するしかありませんでした。基礎中の基礎である「WEBサイトのデザインデータの作り方」から先輩には教えてもらいましたが、結構自分で調べることも多かったですね。

 

――WEBデザインからUIデザインへは、どのように進んでいったのでしょうか?

 

徐々に会社でもサービス系のデザイン案件が増えてきて、もともとそちらの方に興味があったので手を挙げてやらせてもらうようになりました。コーポレートサイトは静的なデザインで、マーケティング要素などはありつつも、あくまで「情報」として扱う要素が強い。一方で、サービス系のデザインはお客さんにとっての「道具」を作ることでもあるので、グラフィックを作るのが面白いなと思っています。自分で触って動かせる、今までこの世界にはなかった新しい道具を作り上げる感覚ですね。現在携わる案件は、WEBデザインとUIデザインとで、それぞれ半々ぐらいの比率です。

 

 

「原理原則の理解」×「手を動かした数」がデザイナーの力をつくる

 

――PTDのメンターになったきっかけを教えてください。

 

もともとFLATのスタッフをやっていたのですが、ツモマーさんがスクールのメンターを探していると聞いて「面白そうだな」と思って参加しました。FLATのスタッフに参加したのはちょうど1年前ぐらいです。最初にFLATに行ったのはさらにその数か月前で、「他のデザイナーさんと話してみたい」という理由からでしたね。会社にはデザイナーも複数人いるのですが、他の会社ではどんな感じなのかを聞いてみたくなったんです。好奇心が強く、興味があればさらっと行動に移せるタイプなのかもしれません。

 

――現在の仕事に活きる部分もありそうですか?

 

会社では面接や採用もやっているので、デザイナーになりたい人、勉強している人がどんなモチベーションなのか、どんなスタンスなのかを知りたいという部分もありました。また、経験が浅い人が入った場合にどのように教えるべきかを体得こともできるし、教えることは自分の学びにもなる。そう考えてPTDのメンターに参加しました。

 

――石井さんは一番最初の授業の担当でしたよね。実際の授業はどうですか?

 

事前にツモマーさんや皆と授業についてのMTGなどもしましたが、細かい部分はその人次第なので、最初は1時間もつか心配ばかりでした(笑)。実際の授業は、ツモマーさんが作ってくれたカリキュラムをもとに進めます。まず最初に、そのカリキュラムのトピックス上で必要な知識や情報のインプットを10分ぐらい。そのあとに事前にやってもらった課題のレビューをします。前半では、誰が見ても直した方が良いところを指摘し、整える。その後後半では、より良くするためのアイディアについて話したり、質問に答えるという感じです。

授業中

授業中の一コマ。

生徒さんが作ったFigmaのデザインデータを添削していきます。

 

――学びの強弱をつけて教えてもらえるのが良いですね。生徒さんの反応はどう感じていますか?

 

まず教えることが楽しいです。デザインについてはまだまだ初心者という人でも、最初は出来なかったことがだんだん出来るようになって、成長が感じられるのが良いですよね。生徒さんの癖などもわかってくるのですが、UIデザインとしての注意点などは数回で治るものなのですが、不得意な要素や興味のある無しなどのポイントもあるので試行錯誤しています。教える中では、基本的なことを改めて言語化すること必要性を感じています。

 

――生徒さんの成長の秘訣はなんだと思いますか?

 

僕の生徒さんはもともと数をこなしている方が多いです。教わったことがないだけなので、基礎や原理原則をきちんと教えてあげると、それを吸収して次に活かしてくれているのが成長のポイントだと思います。やっぱり、どれだけ手を動かしたかが重要なんですよね。僕は18歳で大学に入った時から手を動かしてきたので、そこには自負もあるし、その重要性をあらためて感じています。

 

 

デザイナーの地位向上のため、PTDを学習の選択肢に

 

――PTDのメンターという経験を通してやりたいことはなんでしょう?

 

デザイナーになりたいという人が増えて、その人たちのスキルが少しでもあがれば、デザイン業界全体のデザイナーの数も増え、デザイナーの地位も上がるはず。そこを少しでも手伝えるといいなと思っています。自分が勤める会社でも応募してくれるデザイナーの数を増やしたいし、既にスキルがある人が集まって仕事するだけでなく、後輩を自分たちで育てていかないとデザイン業界が変わっていかないと感じています。SNSなどでは間違ったことが広まりやすいので、業界自体がもっと成熟していく必要があるんです。

 

――デザイナーが地位を上げていくには、デザインだけでなく経営やビジネス、マーケティングなども学ぶべきといった考え方もありますが、そこについてはどう思いますか?

 

身に着けた方がいいのはもちろんですが、まずはデザインを3年やるほうがいいと思っています。まだ1年しかやっていないような人がそういうことを考えても本末転倒なので、まずはデザインに集中する。僕は現在採用面もみていますが、本当はデザインに集中したいなと思うこともありますね(笑)。

 

――ありがとうございます。最後に、デザイナーの世界がよりよくなるためにはどうしたら良いか、石井さんなりの意見を教えてください。

 

デザインを教える学校が、実際どこまで機能しているのか?について考えることがあります。美大の授業はグラフィック寄りになってしまうし、UI/UXをきちんと教えているところもあまりない。学習のための選択肢がなければ、教育環境がなければ、それではもちろん良いUIデザイナーが増えるわけがありません。PTDはその選択肢になると思っています。

 

また業界全体でいうと、大学などで専門的に研究する人が出てくるとぐんとレベルがあがると思っています。建築はデザインの中でも歴史もあって、ちゃんと研究がなされているほう。でもUIデザインについては、研究予算もない、研究体制もない、実務をやっている人には研究する余裕もない。そういった根本的な問題はありますね。アメリカだとWEBやUIUXもだいぶ研究され始めていますし、ゆくゆくは体系的に研究していきたいなと思っています。

 

Interview&Text:Shiho Nagashima

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